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化学物質リスクアセスメント対応におけるサポート事例

2024年4月安衛法改正に伴い化学物質リスクアセスメントに関連するコラムを配信してまいりました。今回は製鉄所における廃液処理の現場作業者が直面する被液リスクに関する現場のサポート事例をご報告いたします。

製鉄所の廃液処理プロセスにおけるサポート事例

製鉄所における廃液処理プロセス

廃液処理は大きく以下のようなプロセスとなります。

  • コークス炉ガスの冷却・洗浄
     石炭を乾留(蒸し焼き)することで、コークスとともにコークス炉ガス(COG)が発生。
     このガスに含まれる有害・有機成分が製造プロセスで使用した洗浄水と混じり薬液が発生
  • 発生した薬液を貯水タンクで一時貯蔵
  • 一時貯蔵薬した液をドラム缶やIBCコンテナへ移し替え
     貯水タンク保管薬液をポンプによりバキューム吸引し移し替え
  • 薬液ドラム缶を中間処理施設へ移送
  • 中間処理施設での中和処理及びアンモニア除去作業等処理

廃液処理プロセスにおける災害のリスク

上記プロセスにおいて「薬液を一時保管からドラム缶への移し替え作業」は被液災害のリスクが高い作業となります。貯水タンクからポンプにより薬液をバキューム吸引しドラム缶やIBCコンテナへ移す作業となり、漏洩防止・臭気対策・被液からの保護が不可欠となります。

作業現場を知る専門的立場より提案へ

「薬液を一時保管からドラム缶への移し替え作業」工程において、防水(耐酸)用ヤッケ、パンツが使用されていましたが、同作業で被液災害が発生してしまいました。
このことをきっかけとして作業面の安全管理を見直す事となり、原田産業にお声がけいただき、以下内容を提案いたしました。

課題と背景:従来の防護具では薬品の浸透(※1)は防げても透過(※1)してしまい皮膚障害や健康被害のリスクが残るため、不浸透性保護具使用の義務化を提案。(労働安全衛生法や関連政省令に違反する可能性も指摘)

製品選定のポイント:製品耐透過性データ(※2)を活用し、発生する薬液のから適切な防護服の確認、防護服交換基準の設定

作業現場リスクに応じた防護服その他の選定:化学防護服(全身)、部分防護(ガウン)、足元保護(ブーツカバー)、手の保護(インナー及びアウター手袋)、夏場の防護服+暑熱対策との両立。

最後に

化学物質リスクアセスメントへの対応を行う必要があるとご検討中の、安全担当者様や管理者様の方々が多くいらっしゃると思います。現場によっては、これまで特に何も問題は発生していないが故、各現場作業者へ化学物質リスクアセスメントへの対策をどのように取り組んでいったらよいのかお困りのケースはございませんでしょうか?

弊社では専門スタッフが説明会を通じ法改正→安全・法令順守の重要性→お客様の作業リスク確認→適切な製品選定のサポートを行っております。
ご希望のお客様は是非ご相談ください。