防護服生産における「チャイナプラスワン」の存在
コロナ禍で見えた課題「安定供給」
防護服ビジネスにおいて、「安定供給」は重要な課題の一つとされています。特にコロナ禍を通して中国一辺倒の調達に不安を覚えた方も多くいらっしゃったかもしれません。これからも予想できないパンデミックや国際情勢の影響を受ける可能性があり、中国以外での生産拠点を確保し、供給チェーンのリスクを分散することの重要性が高まっています。総合貿易商社として100年以上歴史を持つ当社は、グローバルネットワークを駆使し、防護服の安定供給の実現に向けた取り組みを実施しています。その1つがインドにおける防護服の生産になります。
インドの存在
「インド」と聞くと、皆様はどのような印象をお持ちでしょうか?カレーやガンジス川、聖なる牛など野性味あふれる世界観を思い浮かべる方もいるかもしれません。また数字に強く、世界を代表する企業のトップにインド出身者が増えており、年々存在感が高まっている国といえるかもしれません。
それではなぜ、当社がインドに着目し、防護服の生産を開始するに至ったかと申しますと、大きくは「原料調達」という観点が挙げられます。防護服の原料はポリプロピレンとなり、このポリプロピレンの原料から不織布の生産、そして防護服の縫製に至るまで一貫して自国内で完結できる点において、インドに優位性があると判断しました。また手先が器用で豊富な若い労働力など価格競争力に優れた環境が整っていることも判断材料になりました。一方で防護服の生産において、ベトナムやミャンマー、バングラデシュなどアパレルビジネスで注目を集めるチャイナプラスワンと呼ばれる国々でも調査をし、実際に生産に取り組んだこともございますが、防護服のJIS規格(JIS T 8115 : 2015)の基準を満たせるような不織布に関しては、日本、中国、台湾、韓国、アメリカなど第3国から送り込む必要がございました。その場合、輸入時に関税を支払うケースもあり、最終的にはコストアップの要因となりました。このように中国以外の国々でも防護服の生産に取り組んできた結果、総合的な観点から防護服のチャイナプラスワンの国としてインドが最適な国であるという結論に至りました。
但しインド生産におけるデメリットもございます。原料調達から防護服の生産まで一貫して自国内で完結後、いざ日本へ輸出するとなった際の海上輸送に約3~4週間程度、掛かることになります。中国のように工場出荷後約2~3日で日本国内に到着するようなスピード感ではない点が最大のデメリットと言えるかもしれません。

インドビジネスと原田産業
インドにおける防護服の生産に関しては、発注後から日本国内に入荷するまでに少なくとも約2~3ヶ月程度掛かることを念頭に計画的に進めれば、安定的に調達することも可能になります。
また、当社では定期的にインドの現地工場に訪問し、独自の生産・品質管理基準に基づいた厳格な監査を実施しております。

そして日本向けのレベルの高い品質基準を理解し、信頼できるインドのパートナー企業と共に年間数十万点の防護服の生産を進めており、年々、生産数量が増えております。将来的には数百万点に拡大し、より多くのお客様にMade in Indiaの防護服をお届けすることで、お客様が安心して防護服をお使い頂けるような供給体制の構築に取り組んでおります。
防護服の生産拠点、調達先においてチャイナプラスワンの確保をお考えの方、インドにおける防護服の生産にご興味のある方など、是非お気軽にお問い合わせください。